[录入]罗奥莱之死日文版
嗯,发现eTypist很好玩,受人之托转了这个,是校对过的哦^o^
……如果不符版规就删了吧,我也不知道该放哪里orz
按时间顺序排列,偶很公平的^^;;
至于杨……原谅我不是同盟派……
为汉字注音的片假名一律未标注;考虑日文中的人名间隔符在中文状态下会乱码,就统一改成了中文的·
以上
罗严塔尔之死:
ロイエンタールは、デスクに両腕をつき、グラスにむかって、否、グラスの向う側に座るべき友人にむけて、声をたてずに話しかけていた。
「遅いじゃないか、ミッターマイヤー……」
美酒の香気が、明度と彩りを失いつつある視覚をゆるやかに浸しはじめた。
「卿が来るまで生きているつもりだったのに、まにあわないじゃないか。疾風ウォルフなどという、たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう……」
元帥号を剥奪された男の、黒に近いダークブラウンの頭部が、前方にかたむくのを見て、ソファーにすわっていた少年は、声と息をのんで立ちあがった。一瞬、腕のなかで眠っている乳児をどうするか迷ったが、小さな身体をソファーに置くと、デスクに駆けよって、わずかに動く口もとに耳をよせた。
少年は、あわただしく、必死になって、鼓膜を弱々しくくすぐる数語を、メモに書きとめた。ペンを持ったまま、蒼ざめた、端整な顔を見つめた。死が音もなく翼をひろげて、男の上におおいかぶさった。
「……元帥、ロイエンタール閣下……」
少年はささやいたが、返答はない。
一二月一六日一六時五一分。オスカー·フォン·ロイエンタールは三三歳、つねに彼と反対側の陣営にいたヤン·ウェンリーとおなじ年に生まれ、おなじ年に死んだ。
奥贝斯坦之死:
軍務尚書は、不合理さを咎めるような視線で、自分の腹にあいた赤黒いクレーターをながめていた。階下の一室でソファーに重傷の身を横たえ、軍医の治療を受けていたが、緊急に軍病院での手術が必要であると言われて、オーベルシュタインはそれを拒否した。
「助からぬものを助けるふりをするのは、偽善であるだけでなく、技術と労力の浪費だ」
そう冷然と言って、周囲の人々を鼻白ませた後、彼はつけ加えた。
「ラーベナルトに伝えてもらいたい。私の遺言状はデスクの三番めの抽斗にはいっているから、遺漏なく執行すること。それと、犬にはちゃんと鳥肉をやってくれ。もう先が長くないから好きなようにさせてやるように。それだけだ」
ラーベナルトという固有名詞が人々の不審をひきおこしたことに気づくと、軍務尚書は、それが忠実な執事の名であることを説明し、説明を終えると、そっけなく両眼を閉ざして、人々の視線を遮断した。三〇秒後、その死が確認された。軍務尚書オーベルシュタイン元帥は、三九歳であった。
後日、生き残った地球教徒の告白によると、オーベルシュタインがいた部屋を皇帝の病室と信じこんで爆発物を投じたということであった。軍務尚書は、皇帝の身代わりとなって爆死したのである。ただ、それが、すべてを計算しつくした上での殉死であったのか、単なる計算ちがいであったかについては、彼を知る者の意見は二つに分かれ、しかも、一方の意見を主張した者も完全な自信を持ちえなかったのである。人々が、皇帝の臨終をひかえて、軍務尚書の急死に関心を持ちつづけていられなかったことについては、オーベルシュタインにとっては、むしろ望ましいことであったかもしれなかった。結局、死に至るまで、オーベルシュタインの存在は、ラインハルトの影にかさなったのである。
莱因哈特之死:
活気にみちた騒々しさが二〇秒ほどでおさまると、ラインハルトは全身の力で微笑した。
「よい子だな、フェリックス、これからもずっと皇子と仲よくしてやってくれ」
こういうとき、親のことばは非個性的なものになる。ラインハルトも例外ではなかった。ラインハルトは、おこしていた半身を倒し、枕に頭をのせると、一座を見まわして、不審をおぼえたようであった。
「軍務尚書が見えぬようだが、あの男はどこにいる?」
皇帝の問いに、一座の者たちは困惑の顔を見あわせた。皇妃ヒルダが、夫の額の汗をタオルでぬぐいながら、あわてることなく答えた。
「軍務尚書は、やむをえない事情で座をはずしております、陛下」
「ああ、そうか。あの男のやることには、いつももっともな理由があるのだったな」
納得とも皮肉ともつかぬ感想をもらすと、ラインハルトは、手をあげて、タオルをもったままの皇妃の手に、自分のそれをかさねた。
「皇妃、あなたなら、予より賢明に、宇宙を統治していけるだろう。立憲体制に移行するなら、それもよし。いずれにしても、生ある者のなかで、もっとも強大で賢明な者が宇宙を支配すればよいのだ。もしアレクサンデル·ジークフリードがその力量を持たぬなら、ローエングラム王朝など、あえて存続させる要はない。すべて、あなたの思うとおりにやってくれれば、それ以上、望むことはない……」
高熱と呼吸困難に妨害されながら、時間をかけてようやくそう言い終えると、ラインハルトは疲労しきったように手をおろし、瞼をとざして、そのまま昏睡に落ちた。二三時一〇分、水を求めるように唇が動き、ヒルダが、水と白ワインを含ませたスポンジを、皇帝の唇にあてた。唇が動いて水を吸った。やがてラインハルトはわずかに目をあけ、ヒルダにささやきかけた。あるいは、誰かとまちがえたのかもしれない。
「宇宙を手に入れたら……みんなで……」
声がとぎれ、瞼が落ちた。ヒルダは待った。だが二度と瞼は開かず、唇は動かなかった。
新帝国暦○〇三年、宇宙暦八〇一年七月二六日二三時二九分である。
ラインハルト·フォン·ローエングラムは二五歳。その治世は、満二年余という短期間のものであった。
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